今夜は楽しもう、と嬉しいお誘い。
気合いを入れてドレスアップ。
ニコラは今、アルヴィンが予約を取ったレストランで彼を待っていた。
いつもの飾りっ気のない格好で旅をしているからか。
黒と赤のドレスは、特別なことしか着ないから今日にと着た。
「アル…ホントに来るのかな。」
遅くなるが今日中には向かう、とだけの口約束。
仕事で忙しいのに、予約を取ってくれたアルヴィンが嬉しくてすぐにお礼を言いたい気持ちで溢れる。
イル・ファンの夜域の景色は綺麗で好き。
エメラルドのオーロラのような光と、街灯の光がとてもキラキラしてて。
その夜景を見ながら、約束のレストランで待つ。
席も予約してくれたようで、夜景が凄く綺麗に見える場所。
アルヴィンからのデートのお誘い。
今まで旅で一緒だったから、コイビトらしいことはなんだか恥ずかしく感じてしまう。
楽しみが待ち遠しくて、早く来ないかな、と思いながら彼を待つ。
そんな中暫くすると、視線を感じて振り返った
「よっ。」
「あ、アルヴィン!」
「言っただろ?今日中には会う、ってよ。」
嬉しくて手招きする。
アルヴィンは結構見た目を重視する神経質な人だから、仕事上がりでもバッチリだ。
私のドレスアップ姿に目がついたのか、椅子に腰がけながらも視線はこっちのままだ。
「悪かったな…寒い中待たせちまって…。」
「ううん。私はアルヴィンに会えるなら待つよ。」
アルヴィンのことが好きだから、信じていたんだよ、と笑みを浮かべた。
そういうと、アルヴィンもテーブルに座って、続々とコース料理が並べられる。
並ぶ料理はどれも美味しそうで、食事を進めながら些細な会話を始める。
初めて会った頃のこと。一緒に戦った事。いろんな意味で危険な目にあったこと。
そして、本気で撃ち合いに至った事。
どれも大事なことで、目を反らしたくなるようなこともあったけど。
でも、すべてアルヴィンと共に居る今に至ることだ。
食事も終えて、ホテルのワンルームでゆっくり休む。
勿論、アルヴィンも一緒。
(初めての頃は、有り得ないとか言って必死になっていたのが懐かしいなぁ…。)
「なぁ…。」
「ん?」
「ほらよ。」
くるりと振り返ると、何かが飛んできた。
反射的に受け取って手を開いてみると、現れたのはひとつの 小箱。
「お、おっと…小箱?」
「開けてみろよ。」
言われたとおりに小箱を開けると、きらりと光る指輪が出てきた。
色は、アルヴィンに貰った色と同じアメジストの優しい紫色が埋め込まれていて。
「綺麗……。」
「ニコラに似合うかと思ってな。」
「ねぇ…アルヴィン。付けてくれる?」
「仰せのままに。」
ニッと笑みを浮かべて、アルヴィンが私に近づいて、私の手に触れる。
その瞬間に思わずどきりとしてしまうが、指先に触れてそのまま指に指輪が嵌められる。
「ど、どう…かな…。似合ってる?」
「あぁ、よく似合ってる。」
笑みを浮かべるアルヴィンにドキドキしながら、有難うと笑いかける。
嬉しさと恥ずかしさと愛する人にぎゅっと、自ら抱きしめる。
すると、背中に逞しい腕が廻って密着していく。
密着する状態で見上げると、アルヴィンの優しい顔。
「なぁ…名前、呼んでくれねーか?」
名前、というのは恐らく本当の名前。
普段は“アルヴィン”と呼んでいるから、本当の名前はちょっぴり恥ずかしい。
ぎゅっと一生懸命に抱きしめて、恥ずかしさを耐えるように胸元に顔を押し付けながらも。
はっきりと一言。
「アルフレド。大好き!」
「俺は、愛してるけどな?ニコラ。」
恥ずかしくなった顔をくいっと持ち上げられて、甘ったるいキス。
お互い甘いのは、食後のデザート?それとも気持ち?
角砂糖の贈り物
(これ…って、アルフレド…。)
(あぁ、ニコラを俺だけのにしたくてな?)
(ッ!は、恥ずかしいことをさらっと…!)