きらり銀色とふわり笑顔


アナタが私を見る目が少し変わった今日この頃。
また、アナタに振り回される日々の私。



「なぁ、ニコラ。」
「はい‥?」



唐突に彼・ユリウスが私を呼ぶ。
そして何でか手招きをして私を誘う。

いつも、ユリウスの弟で私の幼馴染みであるルドガーがふと離れるときにはいつもこのような関係なのだ。

秘密の恋人でもないのに、私を気遣ってか誰かと一緒の時にはしない。
だけどこうなったときのユリウスは強いのだ。



「ちょっと、こっちにおいで?」
「え?‥‥‥え?」

「そう言わずに、ほら。」



半ば強引にぐいっと手を引かれ、そのまま腕のなかにしまわれる。
幸い後ろからだから、真っ赤になっている私の顔は見られてないけど。



「きゃ‥っ!ゆ、ユリウス?!」
「お、ちゃんと呼んでくれたな?偉いぞニコラ。」
「じゃ、じゃなくて‥!」



そもそも兄さんは付けなくていいといったのはユリウスだ。
言う度になにかしら仕掛けてくるなら、ここは素直になるべきと学習した。

だが、問題点はそこじゃない。



「な、なんで‥呼んだのですか‥?」
「あぁ、そうだった。」



思い出したように笑うユリウスは、なにかごそごそと取り出している。
あいにく今の私は後ろからユリウスに抱き締められているから何をしているか解らないが。



「ちょっと後ろ失礼。」
「へ?きゃっ、冷た‥‥っ!」
「おっと悪いな、ニコラ。」



ひんやりと冷たいものがうなじに触れた。
ひんやりとした、金属?チェーンのようなもので、ここからではその正体が解らない。
鏡で確認したいな、と思ってるとパチンとなにかが閉じる音が微かに聞こえた。



「これでよし、と。こっち向いてみろ。」


と言われ、動こうとしたらアナタに両肩を掴まれくるんと回される。
まじまじとユリウスに見つめられる。
(は、恥ずかしいよ‥そんな風に見られてちゃ‥‥。)



「やっぱり似合うなぁ、ニコラは。」
「え‥‥?」



うなじに伝わったひんやりとした金属の招待を確かめるべく鏡を取り出しては覗く。
鏡で首を見ると、目に映ったもの。
キラリと輝く、シルバー。



「あ‥、これ‥‥アクセサリー‥?」
「買い出しついでに覗いたんだが、ニコラに似合うかもって思ってな。
これなら作業するとき邪魔にはならないだろ?」

わざわざ選んでくれたの?私のために?
そう思えば嬉しくないわけはなく、でも恥ずかしさで顔を真っ赤にして。

ぽつり、と返す。



「あ、ありがとう‥ユリウス‥‥。」
「ん、喜んでくれるならよかった。」



どこか照れ臭そうにしながらも笑うアナタ。
くしゃくしゃっと頭を撫でてくる。

本当に、恋人になった気分だった。
そう思うと、恥ずかしながらも照れてふわりと笑いかけた。





きらり銀色とふわり笑顔
(本当に‥ユリウスはずるい。こんな嬉しいこと‥するから‥。)
(俺はニコラの笑う顔が好きだからな)