ヒミツノキス


授業で静かな中で、こつこつと小さい音。
チャイムがなれば、ガラガラとある一室の扉が開く。


「アルヴィンせんせー。」

「…ん?あ?ニコラか。」
「またおサボりですか?」


だらんとしている彼に、思わずくすりと笑う。

保健室の先生、にしてはフリーダム過ぎるアルヴィン先生。
するときはするんだけど、基本は飄々としたフリーダム先生。

こんな人だけど、私の列記としたコイビト関係。
でも、これはあくまで秘密。



「俺は休憩中。ニコラこそサボりだろ?」
「まぁ…仮病中?」




へらりと笑うところなんか、素直で可愛らしい俺のコイビト。
しかし、そんなだからといって甘えてたら公私混同だ。

そんなこと、俺自身がよくわかっている。




「だったら教室に戻りなさい。」
「イヤ。」

「なら素直に寝てなさい。ベッド空いてるから。」



教師なら止めるところだが、仕方ないなとベッドを指す。
すればニコラは素直にベッドに向かって進めた。
カーテンからちらりと覗かせれば、ぼそりと一言。



「…先生に会いに来た、って言っちゃだめ…?」



ぴたりと止まる。

あーあ、たまにはちゃんとらしくやっていこうと思ったがヤメだ、ヤメ。
俺自身こういったところに弱いの自覚してたしな。

気づけば俺はニコラの寝転がるベッドの、カーテン越しに立っていた。



「可愛い事言ってくれるじゃないの。」



シャッ、とカーテンを開けて彼女に跨がる形にして。
顔の横に手を当てて距離を縮める。
見下ろす形の彼女が、ひどく色っぽく見えた。



「先生…ここ、学校ですよ?」
「学校なのに誘っちゃうニコラが悪いんだぜ?」



そもそも、ベッドまで導く段階で俺が制止をかければよかった。
だが、なにもかも遅い。

不意をつく形で口付けし、何回も何回も繰り返す。
それこそ学生には似合わず、教師と生徒という背徳を感じさせる感覚。

正直言って、たまらない。



「ふっ、んん…っ。」「可愛い……。」



するりと腰を撫でて、理性が段々なくなっていくのを横で感じながら息をつかせぬキスをする。
ニコラは応えるので精一杯なのを眺めて優越に浸る。自分のこうした性分に苦笑しながらも、結局は止められない。

暫くして粗方満足すればちゅ、とリップノイズを立てて漸く解放する。
ニコラは既に顔は真っ赤にして浅い呼吸を繰り返していた。



「さて、ニコラ。続きは放課後にな?」
「っ!で、では…もも、戻ります…っ!」


“続き”と敢えて立てたような言い方に、ボンッと赤らめて。
慌てて退散するように、部屋をあとにした。

彼氏彼女の関係だから為せること。
だからといって、くつくつと笑う彼は本当にズルい。



「だ、だからって‥あんな‥‥っ!」



ニコラは暫く火照る頬を冷めるのを必死になって。
一方のアルヴィンはというと。



「くくっ、ホント可愛いねぇ…。」



キスを懸命に応えていたニコラを思い出して笑みを浮かべてたそうな。





ヒミツノキス
(先生のえっち!あ、あんなのって‥!)
(あれもキスだぜ?学び盛りのニコラには丁度いいだろ?)
(うっ‥‥それは、違うよ!)
(くくっ、ホント可愛いやつ。)



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相互記念夢でした。