あなたといつまでも隣にいることを


遠くから遠くから鳴り響く鐘の音。
それは、今年というひとつの区切りをつける音。

なんだかんだ、あっという間だった。
あんなに恋焦がれていた相手に偶然とはいえ聞かれた告白。

それをきっかけに遠くからしか見かけられなかったあなたが近くにいる。
傍にいて、お互いを満たしていく。


その時間は瞬く間ではあったが、何者にも変えがたい幸福だった。



「はぁ‥‥もう、早いな‥‥。」

「何がだ?」
「っ、‥‥紺炉さん‥‥っ!」



思わずポツリと告げた言葉を拾われると思わず、真っ赤になる。
しかしそこから何でもないなんていえればよかったが、あいにくそんなに器用ではない。

でも、この年は私にとっては緩やかな流れに改変を起こした年。
遠くの存在だったのが、急に近くなりはたまた将来を誓い合う存在にとなったのだ。

これを激動な年といわずなんと呼ぶ。



「そ、その‥‥このようにお付き合いをして、もう年の瀬になったのかと思うと‥‥あっという間でしたなと‥‥。」

「そうだなァ‥‥お前さんが隣にいるのがもう当たり前になっちまったからな?」
「!!」



優しくも小さく笑うあなたに、いちいち心臓を捕まれる気分になる。
ズルいひとではあるが、かけ替えのない存在なのは私もおなじなのに。



「そういうところが、ズルいです。」
「陽?」
「わ、私だって!紺炉さんと同じものをみていたいです。」



同じものを一緒に、できればあなたの隣でみていたい。
目線が違くとも、隣にあなたがいることが私にとっての幸せだから。

そういうと、あなたは小さく笑った。
そのまま私の手をとって。



「ほら、詰め所に戻るぞ。陽。」
「あ、はいっ‥‥!」



いつまでも、いつまでも、あなたと一緒に。
遠くからごぉんと鐘の音が聞こえる。

もうこの年もやがて終わりを告げる。
新たな年でも、あなたの隣にいることを願って。





あなたといつまでも隣にいることを
(そういや、年越しそば作ったんだが食ってくか?)
(は、はい!紺炉さんと食べたいです!)