あぁ、もう諦めたよ。そんでもって受け入れたよ。
目が覚める、というのは私がこのセカイで言うリスタートだってこと。
コレで何回死んだことか。もう勘弁してくれ。
しかも死んだ記憶って抜けるし、あの前後の記憶も抜けるし。
「幾ら…保有スキルで、なんとかなったとしても…。……動けない。」
“逆説”と“シュレーディンガーの猫”の重なる能力のお陰で、殺害は免れている。
(いや、厳密に言えば免れてないけど。死んでるけどね!)
そのリスクのひとつとして記憶は抜けるのは問題だが、その場合は“忘れっぽいだけ”と説明して片づけている。
だが、物理的な理由としては…死亡をなかったことにするためのリスク。
「あだだだっ、いたたたっ、やや、やめ、あだだっ!」
…すなわち、激痛だ。
動くことすらままならない激痛は、こればかりは何ともならない。
痛みが脳から全身、つま先までに至り、鈍痛が駆け巡る。
これが暫く続くのだから、本当になれない。
軽い負傷ならここまで痛くはないのに。
一回死亡すると、この痛みは確実なので嬉しくはない。
戦争がゆるりと開始してから数日。多分だが、2、3回は死んだ。
記憶が飛んでたら、もっとかもしれない。
残念なことに、殺害シーンは記憶から真っ先に消されてしまうため、誰にやられたかは覚えてない。
しかし、これでマスターとサーヴァントの顔は認識できたのでよしとする。
ようやく痛みが徐々に治まると、私は大急ぎで痛み止めの薬を投与する。
(あ、もう切れた。早いな…消費するの。)
「誰に殺されたかわかんないけど…、まぁ。大丈夫だろう。」
これで、認識は出来たので夜道に気をつけさえすればなんとかなるだろう。
しっかし、後で覚えておけよ。私を殺したマスターたちよ。
聖杯に願うものなんてない。
強いて言うなら、いきなり殺しかかったマスターを殴りたいだけだ。
シュレーディンガーの猫 3/3
(まずは、誰から殴りにかかろっか…。殺ってなかったらどうしよう。)