Return nightmare

悪夢。再来。なんて訳じゃない。
ただ、この世界は 自分の世界では まず有り得ないため。


屍が動き出し、人間を襲い掛かって。
その屍が銃声に砕け散る映像なんて。

悪い、夢。だと そう思っていた。



「あ、あのさ…此処、何処よ。」



ひとつの夜。赤い月夜。
そんな中で、出会った。赤いコートの人。

この場所が虚無の戦場に思えた。


周りは人ではないもので溢れ、それが屍のように横たわる。
(いや、この人が言うことが間違いなければ最早人の成れの果てだとかね。)



先程まで、この横になっている奴らに追われて。そりゃもうゾンビみたいなのが!
そいつらに追われ、襲い掛かる寸前で鳴り響いた 銃声。

その銃声が聞こえたと思ったら、追っていた奴らは横たわり、次第に灰のようになった。
その時に見たのは、月夜の裏に姿を現した 赤い男。


夢か?コレは夢なのか?


で。しかしだ。私は何故此処に居るのだ。先程まで眠りの世界に居たはずでしょう?
そうだ。夢だと信じたいが…こればかりは。

夢…だとしたはなんと夢見の悪い夢!



「此処は英国だ。お嬢さん(フロイライン)。」



低く、誘うような 奥底の声。
何を言っているか解らなかったけど、それが恐らく私に向けられた言葉なのだというのはわかった。



「…フロイライン?」
「お嬢さん…ってとこかな。」

「生憎お嬢さんって名前じゃないわ。」
「だったらどう呼べば如何かな?」



なんか余裕を浮かべてる厭な笑み。そう見えた私には少しイラっとした。
というより、赤いコートに赤い帽子。そしてサングラス。どう見ても、変人にしか見えない。

そうだ。コレは夢だ。夢なのだ。
夢なのならば、多少の暴言吐いても問題ないだろう。



「生憎ですが、私夢でも見てる気がするんで。だって私のところじゃこんな…危ないところないし。」
「ほう…?」

「どうせ疑っているんでしょうよ。私の世界じゃこんなの有り得ないから。」



疑いもなにもあるものか。夢は…。そう。コレは夢だ。
じゃなければ、こんな悪夢みたいな光景も。目の前の男も。唯の夢ならば問題ない。

そう。名前を言ってしまっても



「…乃亜。藍璃乃亜。英国…だとしたらノア・アイリとでも言えば良いかしら。」
「ノア・アイリか。」

「じゃ、夢の果てでまた逢いましょう?じゃ、私は眠るか、ら… ッ!?」



そう言ってから、直後に意識が飛んだ。
何故だろう。思いっきり打った記憶しかない。

くたんと横たわった自分のすぐ近くに、あの。男の厭な笑みを月夜に移して。






Return nightmare
(また逢ったな。ノア。)
(え…嘘…でしょ?)
(ククク…残念だが現実だ。)
(あぁああ…!!悪夢だ、悪夢!)