あなたが私を見つけたから、今の私はここにいる。
あなたが私を見つけたから、私はこんなところにいる。
あなたが私を見つけたから、こんな目に遭っている。
ぎちぎちに太い縄で拘束された腕、
宙ぶらりんに少しだけ足を浮かされ、背伸びをしてなければ吊るされてしまう絵だった。
私をこんな目にした男は、今目の前で、にたりと嫌な笑みを浮かべてベッドの縁に座っていた。
すぱー、とクセの強いタバコが空間を包む。
私に何の用だ、と言葉を告げても男はなにも言わない。
綺麗に整えられた髪を後ろに流すようにひと撫でし、ゆっくりとした足取りで近づいた。
何を盛ったかは知らないが、熱に少し浮かされた身体ではまともな思考すらままならない。
軽く熱い息を漏らしていれば、獲物を見るような目で軽く舌舐めずりをした。
男の一連の動きにぞくりと粟立つものを感じ、危険だとサイレンがなる。
しかしまともな抵抗もできずに、男はがぶりと噛みつくように唇に食らいついた。
せめて反抗してやろうと、がりっと唇を思いっきり噛んだ。
男はその痛みに少し驚き、離れれば私の唇に男の血が少しついた。
男は私の唇についた血をみてはニヤリと笑い、指で私の唇をなぞる。
「まるでルージュのようだな?」
と男はそういって、ニヤリと笑う。
そして、そのルージュに噛みつくように男とはまた口付けを交わした。
すん、と強いタバコの匂いと仄かな鉄の匂いが入り交じった。