時止まりの歌声

「―これ以上の遅れは問題だ」


眼帯の男―カタシロ・リョウスケはソファに腰掛け、ジッポの蓋をカチ、カチ…ッと鳴らす。

薄暗い部屋にはソファに腰掛けるリョウスケ、その向かいにカウチに横たわるヘッド、そして、ヘッドのカウチに凭れる様に床に膝を立てて座るなまえの3人だけだった。

「技術協力してる企業の株価も下がってるしね」

深刻気なリョウスケとは対照的に、ヘッドは呑気な声音で言う。

「なら、早いトコ次の封印もとかなきゃ」

ヘッドはなまえの髪を手に取ると、撫でる様に指を通す。


「そういえばシンドウの屋敷に泊まったという少年…結局、金山前に来たよ」

「来るなって言われるとやっぱ来たくなるもんなんだよね」

「はぁ…全くだ…」


「父親を捜しているのかな?」

そう言うヘッドは何処か楽しそうにも見える。

「な…」

リョウスケは戸惑った様な声を漏らす。


「煙草は遠慮してくれないか?俺達は構わないけど、彼女がね―」

「彼女?」

なまえは首を傾げる。

ライトに照らされたのは巨大な鳥籠に囚われた気多の巫女だった。

「これは…」

「気多の巫女…」

「祭の供え物のお下がりだよ。仲良くしようね、サカナちゃん」

「...」

サカナちゃんって…どうなんだろ、そのネーミング…。


「俺の為に歌ってくれないか?眠れないんだ...」

ヘッドの頬を涙が静かに伝う。



舞う雪は、星の欠片

天体に手を伸ばして

行き交う願い、感じているね

全ては、今、モノクロームの中...

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