見えない檻

「…何だ…?」


フェリーから降りたなまえは島を見渡して目を細める。

「なまえ様?」

「島が、ざわついてる…」

「なまえ?今戻ったの?」

「マミ」

なまえはうん、と頷く。

「仕事、大変そうだね。お疲れ様。あ、これどう?さっき獲ったばかりだよ」

そう言うと籠の中の貝を見せる。

「相変わらず腕良いねぇ、マミ。残念ながらまた今度にするよ。ありがと」

「うん。また学校でね」

マミとわかれ、2人は車に乗り、家へと向かう。

「…」

なまえは落ち着かない様子で、首の後ろに手を当てる。

「大丈夫ですか…?」

リンが気遣わしげに言う。

「うん…大丈夫。どうせこれもすぐ治まると思うし…」

なまえは少し微笑むと、再び窓の外に視線を戻す。


「…」
―祭りの“生贄”が、島から出ようとでもしたのかな…。

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