最後の夢

「―君は迷っている」


いつもの公園で小さな足音と共にやって来たヘッドは、唐突にそう呟く。

「…どうしてそう思うの?」

「何となくだよ。強いて理由をあげるなら―」

ヘッドはなまえを見て、微笑む。

「俺はいつも君を見ているから、かな…」

なまえは、変態、と言ってふっと笑う。

「迷って無いよ。というより、迷えない…」

なまえはギュッと拳を握り締める。

「…昔ね、夢を見たの。初めてアプリボワゼした時…最後に見た夢…」


『…泣かないで…スガタ…』

『また一緒に、星を見たかったね…』

―溢れ出るほどの大きな想い…。
孤独と、哀しみ、そして、共に産まれ出た半身を愛おしく思う気持ち…。
色んな思いが入り混じった、そんな夢を…。

「―…サイバディの記憶、か」

なまえは夕日に染まる空を見上げる。

「世界に1人ぼっちとか、ホントはきっとそんな大した事じゃないんだよ…ホントは…」

「―怖かったんだね。いずれ、彼を苦しめる事になる自分の存在が」

ヘッドの言葉になまえは小さく頷く。

「…だから、迷えない」
―迷っては、いけない…。

なまえの表情が僅かに歪む。
それは今にも泣きだしそうな顔だった。


―進む道は1つしか無い…。

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