日死の巫女
「―祭りの“生贄”が到着した様だな」
そう言うヘッドの視線の先にはイヴローニュと、気を失って椅子に座らせられているミズノの姿があった。
「日死の巫女か」
グラウクローネはミズノに歩み寄ると、軽く頬を撫でる。
ピクッと瞼が震え、ミズノが目を覚ました。
「―目が覚めた?」
「っ…!?」
はっとグラウクローネを見上げたミズノは思わず目を瞠る。
グラウクローネはミズノから離れると、ヘッドやイヴローニュと共に並ぶ。
「俺達は綺羅星十字団―」
ヘッドが言う。
「綺羅星…?」
「まだ酔いが残ってる様だな」
「騙したんだなっ!」
「騙してはいない。約束通り、貴女がこの島から出られる様にしてあげる」
イヴローニュが言う。
逃げ出そうとしたミズノを団員達が取り押さえる。
「離せっ!離せよ!」
「大事な巫女だ。丁重に扱え」
グラウクローネは笑みを浮かべながら言う。
「日死の巫女はまだ覚醒していないと思ってたけど、正直驚かされたわ。
これ程までに凄まじい第1フェーズとはね」
「貴女はサイバディの戦いを見た事がない。当然零時間も知らない」
「何すんだよっ!止めろ!」
イヴローニュがミズノの胸元に指先を触れると、シルシが光を放つ。
「シルシを持ちながら零時間へのトランスポートを拒否できる上級ドライバーは、この綺羅星十字団の中にも数人しかいない。
恐らく、あの皆水の巫女にも出来ない。
あるいは、貴女が生み出したあの分身にその役割を押しつけていたのかしら?」
「何の話…?分身って何だよ…っ」
「勿論、貴女が幼い時に創り出した、あの疑似家族の事よ?」
イヴローニュの言葉にミズノの表情が茫然と固まる。
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