夢から覚めて
固く閉じられた瞼が開く。
ぼやける視界に、うっすら人影が映る。
「…ヘッド…?」
少し掠れた声で呼びかける。
「起きたかい?」
窓辺に立ち静かに海を眺めていたヘッドはポケットに手を入れたまま振り返る。
「此処…家…?」
なまえは身体を起こし、周りを見回す。
暗くて良く見えないが自分の部屋だとわかる。
「あんまり気持ち良さそうに寝てたから、そのまま運んだよ」
「嘘…ごめん。そんなに寝てた…?」
なまえは申し訳なさそうな顔で言う。
ヘッドはそんななまえの様子を見てゆるりと口角を上げる。
「あぁ、ぐっすり。サカナちゃんの歌が子守唄になってくれたみたいだね」
「良い夢は見れたかい?」
「意地悪だね。夢は見ないって知ってるくせに」
「そうだった。ごめん、ごめん」
むくれるなまえにヘッドはくすくすと笑う。
「…そういえばあのツナシ・タクトという少年、“銀河美少年”だったよ」
なまえは目を瞠る。
「銀河美少年…?じゃあ、サイバディに直接乗り込んで戦っていたの?」
ヘッドは頷く。
「23体目のサイバディ・タウバーンに乗っていた」
「科学ギルドが研究を進めるみたいだけれど」
「…」―どういう事…。
「…どうする?」
なまえは言葉の意味が分からず、ヘッドを見る。
「…どういう意味?」
「今なら君はまだ選ぶ事が出来る。折角出来た友人と敵として戦うか、友情を取って計画から降りるか」
君の好きにして良いよ。
ヘッドの言葉になまえは目を細める。
その瞳は鋭く、そして言い知れぬ覚悟を秘めた瞳だった。
「…そんなの決まってる」
「降りないよ」
そう言うとなまえはヘッドから顔を逸らす。
「全ての封印を解き、“旅立ちの日”を迎えるまで。絶対に」
ヘッドは薄く、何処か嬉しげに微笑む。
するりと腕を回し、なまえを後ろから抱きしめた。
「そう言ってくれて良かった」
「君がいなくなったら、俺の世界はまたつまらないものになってしまう…」
ヘッドはなまえの肩に顔を埋めて囁く。
「そうだね…私も君がいないと何だかつまらないや…」
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