彷徨う少年
ピッ、ピッ、と規則的な機械音が静かな部屋に響く。
「…マキバ・シンゴ」
なまえはベッドに横たわる黒髪の少年を見つめる。
「彼が、気になりますか?」
書類にペンを走らせていたヒデキが尋ねる。
「そりゃ気になるよ。彼が起きてくれないと、ヘッドは残りの封印を解く気が無いみたいだし…」
そう言うと、なまえはシンゴの胸元に軽く指先を触れる。
なまえの指先が触れたと同時にシンゴの胸元のシルシが淡い光を放つ。
「苦しい旅は終わりだよ…もう、戻っておいで」
指を離すと、光は治まる。
「今のは何をしたんです?」
「少し、“呼んだ”だけだよ。応えてくれるかは、わからないけどね」
「長年この島でサイバディの研究に携わってきましたが、貴女の力は未だ把握のしようがありませんね…」
なまえはにっ、と笑みを浮かべる。
「研究のしがいがあるでしょ?」
「―君が目を覚ます前に、少し遊ばせて貰うよ。マキバ・シンゴ君」
そう言ってなまえは部屋を出て行く。
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