星は軋み、銀河(そら)になる

「―タクトッ!」

グラウクローネが手を振り下ろすのとほぼ同時に、スガタが右手を上げる。

「スガタ君…!」

「…!」
―王の、柱…!

「スガタ…!」

王の柱と審判者の泉がぶつかり合い、色の違う眩い青い光がゼロ時間を包む。

「タクトは、殺させない!」

光がぶつかる狭間から紫色の光が放たれ、津波の様にグラウクローネやスガタ、タクト達を呑み込む。

「…!」

「「「…!?」」」


『―また来たの?此処に来たのが知られたら、どやされるわよ…?』

『少女は1番大切なものを失う代わりに、自由を得たの…』

『この物語は、それで終わりなのか…?』

『泣かないで…』

『どうせなら、この力でお前を守ってやりたかったのに…許してくれ…』

『…また一緒に星を見たかったね…』

『大好きよ…』


『さよなら…"スガタ"…』

「うわあぁァァっ…!」

頭を突き抜く様なスガタの呻き声にグラウクローネはハッとする。

「スガタ!」

「スガタ君…っ!?」

両手で頭を押さえて跪くスガタにワコが寄り添う。
急に苦しみだしたスガタに、綺羅星のメンバー達も驚きと困惑の表情を向ける。

「…」

タクトはばっと立ち上がり、タウバーンを見上げる。

「っ…タウバーンッ!応えろォ―ッ!」

タウバーンにオリハルコンの赤い模様が広がり、タクトの胸元から光が溢れる。

「タクト君のシルシが…!」

「…!」
―まさか…。

「アプリボワゼ―ッ!」

タウバーンを縛っていた鎖が外れ、タクトは再びタウバーンに乗り込む。

「!…カイロスの鎖が…」

「あいつ…審判者の力を破ったのか!?」

「やるわね…銀河美少年」

「…」

ヘッドは黙ったまま静かに見下ろす。

「―さぁ、リターンマッチだ!綺羅星のドライバー!」

スターソードを構え、戦闘態勢を取るタクトに、グラウクローネもスターソードを構える。

「タク、ト…」

「スガタ君、大丈夫…?」

「スガタに何したか知らないけど、これ以上お前達の好きにはさせない!」

タクトの言葉にグラウクローネは何処か小馬鹿にした様な笑みを浮かべる。

「“好きにはさせない”?本当…何処までもおめでたいな」

「何だと…」

「お前にこのグラウクローネは倒せない」

「そんなのやってみないとわからないだろっ!」

「くす…なら、やってみろ。わからせてあげる」


「―そこまでだ」

同時に地面を蹴ろうとした2人の間に入り、告げたのはヘッドだった。

「…ヘッド。何のつもり」

「…俺の言いたい事を、君は知っている筈だ、グラウクローネ」

「…」

グラウクローネは渋々といった様子で、ふん、と小さく鼻を鳴らすとスターソードを下ろす。

「な…待て…!」


「―誰にも“旅立ちの日”を阻む事は出来ない。
例え、全てのサイバディを破壊したとしてもな」

消え際、グラウクローネは口元に笑みを浮かべる。

「楽しかったわ。ツナシ・タクト」

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