波の音
「なまえ様、これを」
リンに渡された宛名の無い真っ白な封筒の中には、小さなメッセージカードが1枚入っていた。
《新愛なるマナセ・なまえ様。
3日後の早朝、シンドウ家本邸に貴女への贈り物をお送りします。―R―》
なまえはははっと乾いた声で小さく笑う。
「キザな奴だ」
「リン、明後日、本家に行ってくれる?私宛の荷物が届くんだって」
「本家にですか…?」
「ん」
なまえはリンにメッセージカードを渡す。
「お願いね」
「畏まりました」
リンは軽く頭を下げると部屋を出て行く。
「此処じゃなくてわざわざあそこに送るって事は、私だけじゃなくてスガタかタクト君にも何か送ってるんだ。
ヘッドの奴…」
なまえは背凭れに凭れる。
「何送ったんだか…」
スガタには正体を感付かれている様だし、何を送ったとしても到底気に入られはしないだろう。
なまえは目を閉じる。
「…何だか、最近波の音が大きく聞こえるね」
―海が、荒れてる…。
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