爛れた絆
「―感動の再会とはいかなった?」
ヘッドの部屋の窓辺のソファに腰掛けて海を眺めていたなまえは、声に滲ませたからかいを隠す事なく問う。
「…」
振り返ると、そこに佇んでいたヘッドは頬を赤く腫らしていた。
ヘッドは黙ったまま、カウチに腰掛ける。
なまえはくす、と小さく笑ってから、濡れたタオルをヘッドの頬に当てる。
ヘッドは目を閉じたまま、されるままになっていた。
「あれは君が悪いんだよ。嫌われてるってわかってるくせに声なんかかけるから」
なまえは僅かに目を細める。
「―わかりあえると思ったの?」
ヘッドは頬にタオルを当てるなまえの手に自分の手を重ね、閉じていた目をゆっくりと開く。
「ふっ…馬鹿な」
ヘッドの瞳になまえの姿が映る。
ヘッドは瞳を細めて微笑むと、もう片方の手をなまえの髪に触れる。
「あいつと分かりあう必要も理由もないよ。
俺はそんなもの、欲しくもないし―意味も価値もないだろ?」
「そんな事言って、彼との繋がりを断ち切れるとでも思ってるの?」
なまえはヘッドの両頬に手を添え、目線を合わせる。
「―馬鹿だね。どんなにお互いに断ち切ろうとしても、君とタクト君の間には消えない繋がりがあるんだ。
親子っていう、羨ましい位に確かなね…」
―私とスガタが、手に入れられないもの…。
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