3本の剣
零時間が始まると同時に、スティックスターのラメドス、ソードスターのザイナス、キャメルスターのギメロックの3体が姿を現す。
「今日は何だか賑々しいな!3対1か。受けてやるぜ!」
「―アプリボワゼ!」
「戦い方を変えて来たな」
「フィナーレが近いって感じね」
「―見せつけてみろ。お前達の“覚悟”の証を」
「…」
スガタは階下を見下ろすグラウクローネに目を向ける。
―…。
「ギメロックの分離戦法はそれなりに効果的だった。
コフライトが邪魔しなければ勝機があったように見えた!」
「遊びの時間は終わりって事だ―!」
「今日で終わりだ、タウバーン!」
「サイバディ復元のリスクを背負った分、少なくともあの3人は、お前より勇気がある」
「いいねぇ、若いっていうのは。羨ましい」
議長の言葉に、ヘッドは羨望の様な、嘲笑う様な笑みを零す。
3対1の攻防はバニシングエージの物量戦が功を奏し、タウバーンは徐々に劣勢に陥る。
「こちらのサイバディも第3フェーズに上がってパワーアップしてる。
それに数はそのまま実力差だ。
あのタウバーンが例え特別なサイバディであったとしても、絶対的な能力差があるわけではない」
「それを考えれば、むしろこれまで勝つ続けてきた事自体、奇跡だ」
「…」
―奇跡、か。“運命”と同じ位嫌いな言葉ね。
グラウクローネは仮面の奥で眉間に皺を寄せる。
―ならばその奇跡とやらを捻じ伏せてやる。現実という“真実”でな。
「―ツナシ・タクトは幼少の頃よりスタードライバーとしての訓練をされてきたんだ。
しかも、か弱き者を守れとかいう、うざい家訓の元にね」
「だが、今日でジ・エンドかな。
やるじゃないか。我がバニシングエージも―」
議長は横目で満足気に笑みを浮かべるヘッドを見遣る。
スティックスター達は連携攻撃でタウバーンを追いこむ。
「スティックスター達の連携が良くなってきている…今なら…」
グラウクローネは思わず身を乗り出す。
―いける。今なら、タウバーンを、ツナシ・タクトを…。
「―来い、タクト!僕をタウバーンに乗せろっ!」
スガタの言葉のタクト達だけでなく綺羅星の面々も驚きを隠せない。
そして、それはグラウクローネも同様だった。
―何を…!
「僕を使ってタウミサイルを撃て!」
「えっ?」
「―信じろ」
「…よし、行くぞ、スガタ!」
僅かに躊躇ったが、スガタの言葉でふっきれたのか、タウバーンの球体の前に姿を乗せる。
「エキセントリック―」
「タウミサイル―!」
スガタ自身をミサイルとして放ち、眩い光が3機のサイバディの胸の球体を撃ち抜く。
タウミサイルに撃ち抜かれた3機は煙を上げる。
それは即ち、敗北を意味している。
グラウクローネはあからさまに口許を歪める。
―あの3機でもタウバーンを倒す事は出来ないのか…くそ…っ。
だがそれよりも彼女を苛立たせたのは―。
「…」
―スガタが、自らサイバディに、乗って、力を使った…。
仮面の奥の蜂蜜色の瞳が暗い影を纏う。
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