揺らぐ世界の声

「―満足?スガタを綺羅星に引き入れられて」


ひが日死神社跡地で、なまえは空を見上げていたケイトに尋ねる。

「…」

「気になるわね。どうやって口説いたの?」

「さぁ?企業秘密よ」

なまえはくすくす、とおかしそうに笑う。

「…何がおかしいの?」

なまえは夜の静かな海を眺める。

「君は昔から私が嫌いだった」

「…嫌いよ。でも、何よりも許せないのは、あんたはこの世界で誰よりもスガタ君に思われてる癖に、彼を拒絶して…あの男に加担して彼を利用しようとしてる事よ。なまえ」

「利用?それなら君だって一緒でしょう?」

「あたしはアンタ達とは違う。あたしは、彼を救うの。
あたしがあの人の願いを叶える…!」

「へぇ。救う、ね」

「…もう無駄よ。ザメクが復活したら、アンタ達の野望は叶わない!」

「あたしがスガタ君を解放する。ワコからも、アンタからも。なまえ」

ほんの一瞬だが、絡みあう2人の視線は鋭いナイフを思わせる様に冷たく、鋭利だった。
#なまえはケイトを見送る。

「…君には聞こえないんだね」

―声が…。

なまえは夜空を仰ぎ、両手を広げる。
タウバーンが負ける未来であって欲しかった…。
そうすれば、もっと簡単だった。
もっと、早くに“旅立ちの日”を迎えられた…―。

だが、その未来が途絶えてしまったのならそれでも構わない。


―結局は、変わらない運命なのだから。

暗い夜の浜辺で、なまえは自嘲気味な笑みを零す。

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