僕が君を好きだって事
「―違うよ」
なまえはそう聞かれる事すらも予想していた様に、目を少し細めて微笑む。
「アプリボワゼしたら、世界はもっともっと遠くなって…もう本当に、この世界に私の居場所は無いんだって思った…」
誰とも繋がりのない世界。
唯一、血の繋がりがある半身さえ、隣にいては傷つけあうばかりの運命で…。
なまえは一歩、また一歩と、ゆっくりスガタに歩み寄る。
「…どんな道を選んでも、君を傷付けない道が見付から無かったから、綺羅星に入ったんだ」
それが、私が見つけた答え。
その為には全てをかけると決めた。
「綺羅星だって知って、傷ついた…?けど、もしそうじゃなくても、私はやっぱり君を傷付ける存在にしかならなかった」
なまえの言いたい事がスガタには理解できた。
『また一緒に、星が見たかったね…』
『大好きよ…スガタ…』
スガタは俯く。
「っ…それでも僕は…君を大切に想ってる事にかわりはない…っ」
なまえはとん、とスガタの背に額をつけると、スガタの手を軽く握る。
重ねられたなまえの手は驚く程冷たかった。
「っ…」
なまえの手の冷たさにか、その行動にか、驚いたスガタは小さく肩を揺らす。
「…やっぱり君は、小さい頃と一緒で優しいね」
ただただ幸せだった日々から、色々なものが変わった。
世界、心、2人の距離。
だけど唯一変わらないものがあった。
姿形の無い、曖昧で不確かなモノ―それが力を与えてくれる。
なまえは小さく目を細めて微笑む。
―君がそう言ってくれるだけで十分なのに…そう言ってくれるから、それじゃダメなんだよ…。
「今迄沢山酷い事言って、苦しめて、ごめんね…」
―神様は意地悪だね…。
「…大好きだよ。スガタ…」
息を吐く様に呟かれたと同時に、するり、と手が引き抜かれる。
「!なまえ…!」
ばっ、と後ろを振り返るが、そこになまえの姿は既に無かった。
前へ|次へ
戻る