銀河の一番星

「―なまえ。もうすぐ俺達の夢が始まる」

ヘッドはおいで、となまえに手を差し出す。

「なまえ…っ!どうしてっ!」

ワコが声を上げる。

「この人はスガタ君を利用してっ、この世界を壊そうとしてるんだよっ…!?」

なまえはワコからザメクへと視線を滑らせる。

「…ザメク…」

ほんの小さな声で呟かれた言葉は感情の籠らないものだった。

「…ごめんね、ワコ」

なまえは再びワコに視線を戻すと、ふっ、と薄く微笑む。

「ワコのお願いでも、これだけは聞けないんだ」

「っ…?」

「―ザメクの呪縛から逃れて動き出したか、牢獄の番人共め」

「だがもう遅い!」

ヘッドは忌々しげに、だが差して気にする様子もなく声を上げる。
巨大な王の柱にサイバディ達は為す術もなく破壊されていく。

「…」

眩い青い光が視界を染める。

「ふふふっ…美しいねぇ。勢いで何でも乗り切れると思っているその若さは。
だが、圧倒的な力の前ではこれが現実だ―」

「そこで見てるが良い!世界の終わりを!」

他のサイバディが王の柱によって破壊されていく中、タウバーンだけが青い光の中を突き進む。

「死ぬつもりか…」

なまえはぽつりと呟く。

「僕には見えている…」

「まだ、僕には見えている…!」

「タクト君っ…!」

「…」

「ザメク本体の放つ王の柱に自らとびこんでくるとは。愚かな若者よ」

ヘッドはタウバーンを見下ろし、嘲笑う。

「一面の青い闇の中で、自分の居場所も進む方向もわからぬまま砕け散るが良い!」

「っ…くっ…僕にはっ、まだ、見えている…っ!」

タウバーンが青い光を抜け、姿を現す。

「…!」
―王の柱を…。

「さぁ、祭りは終わりだ!」

「あぁ、終わりだ!っああぁぁ―っ!」

タウバーンによってシンパシ-が破壊され、爆破すると同時に、零時間を満たしていた青い光が消える。
なまえは驚いた様に目を丸くし、だがすぐに表情を消すと、ワァウナとタウバーンを見る。


「…今度は、君が相手になるのか」

タクトが厳しい声音で問う。
なまえは2人から視線を外すと、零時間の星空を見上げる。
その表情は嬉しげで、今にも泣いてしまいそうな程悲しげにも見えた。

「…誰も、あのヘッドですら勝てないのは、君がこの世界で1番輝いてる星だからなのかな?タクト君」

「…?」

タクトは意味が分からない、と僅かに首を傾げる。
なまえは元から答えを期待していなかったのか、気にする様子もなくくす、と小さく笑うと、顔を上げ、真っ直ぐにタクトを見る。


「君の役目は、“此所”までだよ」

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