審判者のシルシ
「!?どういう意味だ…?」
タクトは意味がわからない、と困惑の眼差しをなまえに向ける。
なまえの口調はまるでこれで終わりではない、と言っているようだ。
「なまえ…?」
「どういうつもり…グラウクローネの奴…」
「…全ては終わったんじゃない。ここから、全てが始まるんだよ」
「何を…」
なまえが呟くと同時に、地響きと共にザメクが零時間に沈んで行く。
「ザメクが…!?」
「…」
なまえは振り返り、ザメクを眺める。
―ホント…君ってさ…。
その表情はスガタがそうするとわかっていた様だった。
「…スガタ君が、ザメクを眠らせ様としてる…」
ケイトが震える声で呟く。
「っ…!?」
「そんな…スガタ君…っ」
零時間に沈むザメクを眺めながらなまえは微かに目を細める。
「―君がシンパシ-を壊してくれたお陰で、手間が省けたよ」
「一応、ありがとうって言っておくべきかな?」
「「「…!?」」」
「!?…」
「…」
なまえの胸元が淡い光を放つ。
「アプリボワゼ―マイアン」
「―此所からが、本当の“旅立ちの日”の始まり。永遠の船出だ」
「「「!?」」」
「サイバディは…!?」
光が納まるが、そこには先程と変わらずなまえがいるだけでサイバディの姿はない。
「どういう事だ…グラウクローネは確かにマイアンとアプリボワゼした筈…!」
「まさか、なまえ自身が、サイバディそのものになったと、いうのか…?」
ヘッドがぽつり、と呟く。
「…何故マイアンが“隠された王座”と呼ばれるのか―」
なまえの胸元がもう1度淡い光を放つと、マイアンのシルシの上に、ザメクのシルシが現れた。
「え…」
「―アプリボワゼ…」
「ザメク!」
「「「…!?」」」
「なまえっ!待ってっ…!」
「何を…」
なまえはザメクの胸部に吸い込まれる様に消える。
「そんな…!ザメクはスガタ君しかアプリボワゼ出来ないんじゃ…!?」
「これが、マイアンの真の能力なのか…」
「なまえちゃん…スガタ…」
「なまえは最初から…」
タクトとワコは茫然とする。
「…あいつは、こうする為に、綺羅星に入ったんだな…」
リョウスケが呟く。
「…なまえ…」
「…お前がなまえと共に見ようとした夢に、あいつは、最初からいなかったんだよ。トキオ」
ヘッドは信じられない、と自分の掌を見つめる。
「…俺は始めから、彼女を手に入れられてはいなかったのか…―」
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