弧を描く唇

「…それを」

グラウクローネはスカーレットキスに掌を出す。

「…わかってる」

スカーレットキスは放り投げる様にスピードキッドのエンブレムを渡す。

「…第2フェーズに移行したからといって流石に第3フェーズに簡単には勝てない様ね」

「それって2回も負けた私達への嫌味?」

スカーレットキスは不愉快そうに尋ねる。

「…いいえ。ただ、銀河美少年の力を侮っていたという事よ。貴方達も、私もね」

そして、恐らく、綺羅星十字団のほとんどが。

手の中でエンブレムがカチッと小さな音を立てる。


「…どうだ?」

暗がりの中から議長が姿を現す。

「そうね…」

グラウクローネはスカーレットキスから受け取ったエンブレムを議長に渡す。

「…彼を侮っていたわ。私の予想していた以上の能力だった」

グラウクローネは壁に凭れて髪の毛先を弄る。

「…早く排除した方が良さそうね。あの子は確実に私達の計画の障害になる」

議長はそうか、とだけ言う。
グラウクローネは踵を返す。


「…お前のサイバディなら、あのサイバディを倒せるか?」

グラウクローネは足を止め、議長を振り返る。
仮面のせいで表情は読めないが、その口元は僅かに微笑んでいた。

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