君は夢見る少年だった
「―君は最初から彼と一緒に眠るつもりだったんだね」
ヘッドはベッドに眠るなまえを静かに見つめる。
「なまえ…」
なまえはゆっくりと目を開ける。
「…馬鹿だね。ホントはわかってたくせに。
私が何の為に綺羅星に入ったかなんて」
「…俺が、わかってた?」
「なまえには、そう見えた?」
「見えたんじゃない…そうだったんだよ」
「君は“最後(おわり)”を知りたくなくて、ずっと見ないふりしてた…。
だから、最後まで私のやろうとしてる事が見えなかったんだ…」
まるで、物語の結末を知りたくない子供が、途中で絵本を最初のページから読み返す様に―。
「…そうか」
ヘッドは小さく呟いて自分の掌を見つめる。
「俺は、怖かったんだな…失うのが」
「…君は最後まで、銀河に夢を見る“少年”だったんだね…」
「“イカ刺しサム”、か…」
なまえは毛布から手を伸ばすと、軽くヘッドの手に重ねる。
ヘッドは少し目を丸くして何だい?と問う。
「大丈夫だよ…君は、もう“王様”でも“サム”でも無い」
「ありがとう…なまえ」
「そうしたのは、君の息子だよ…私じゃない」
ヘッドは目を伏せる。
脳裏に浮かぶのは燃える様な赤い髪の、自分とよく似た、だが自分とは正反対の少年だった。
「…あぁ…あいつは、紛れも無く俺の息子だ」
なまえはゆっくりと目を閉じる。
「返して欲しい?君があの日、私に“預けた”もの」
「…あぁ。返して、くれるかい?」
ヘッドはさら、となまえの髪を軽く撫でる。
「…君の魔法は、もう解けたんだよ」
「“トキオ”」
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