僕は君の太陽にはなれないけれど
『―ワコの事は、僕がずっと守ってあげるから』
いつだったか、お気に入りの場所ですやすやと眠っていたあの子に、1人で勝手に、そう約束した事がある。
僕しかしらない、僕だけの約束。
この小さな島に、役目という檻と、運命という鎖で囚われた、可哀想な女の子。
僕と、同じ。
だからなのか、彼女を守らなければいけないという一種の役目に特に嫌悪はなくて、それが当然の事のように受け入れた。
こんな運命でも、彼女との絆があったから、今迄生きてこられた。
でも、時々、思う。
彼女とのこの絆があるから、こんなにも苦しいんだって…―。
―例えるなら、君は僕にとって、宇宙。
目が離せなくなるくらい焦がれて、いつだって綺麗に輝いてて、なのに、息が出来ない。
別に彼女のせいじゃない。
あの子は悪い事なんて何1つしてなくて、でも、痛みにも似たこの息苦しさを癒す事も、癒してあげる事も、僕達はお互いにできない。
「―アプリボワゼ」
君を守る事が出来るなら、それでいい。
だってこの世界は僕の為じゃなくて、僕が君を守る為にしか、ないのだから…―。
『―ねぇ、シンドウ君、目を閉じて』
何で。
―なんで、こんな時に彼女を思い出すんだ。
瞼に浮かぶ、茜色に照らされた藍色の髪の少女は、口許に楽しそうな笑みを浮かべながら、ゆっくりと目を閉じる。
『小さい頃、お父さんが言ってたんだ。次に目を開けてみたら、さっきより少しだけ、世界は綺麗に見えるんだよって』
―馬鹿じゃないのか。そんなの、嘘だろ。
「―ザメク!」
―だって、僕には、世界は今も、苦しいままだ。
そんなに世界が綺麗だと言うなら、いっそ、目玉を抉り出して、僕にその瞳をくれ。
君の瞳に映る世界の輝きが、僕も欲しい…。
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