イカ刺しサムの物語

「戦いが始まる」


「危険で暗い夜の海。サムは銛を手に今戦いを挑む」

「そして言葉では到底語り尽くせない激しい格闘の末にイカ大王を仕留めたサムは、ついにその青い血を手に入れた…」

「戦闘シーンの描写は無しか…」

ヘッドが残念そうに言う。

「瓶に詰めたイカ大王の血は青く煌々と輝き、夜の海を照らし出す…」

透明のジュースの注がれた気多の巫女の持つグラスに青い液体が混じる。

「それは神秘的だねぇ…」

「その青い血を携えてサムは王様に謁見する」

「王様!約束の青い血です!これがそうです!王様は歓喜に震え、瓶を受け取ると、いきなりその青い血を飲み干した」

気多の巫女がグラスのジュースを飲み干す。
零れたジュースは顎を伝い、ワンピースに青い染みを作る。

「その青い血は不老不死の魔法にかけられた王様が永遠の人生を終わらせる事の唯一の薬だったのだ」

「ありがとう、サム。これで今宵、眠りに就けば私はもう2度と目覚め無い」

「思いがけない展開だなぁ…」


「このジュース…美味しくないわ…」

飲み干したグラスの底には赤と青の飴が残っていた。

「それで、サムはどうしたの…?」


「人生という冒険は続く...」


「良い所なのに…」

ヘッドは小さく溜息を付く。

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