4人の中にあるもの
「なーんかかぎこちないねー」
「…ぎこち、あるよ…?」
タクトは食べかけのメロンパンを机に置いてルリを見る。
「なーいよ!ほら」
ルリはワコとスガタに目を向ける。
それは確かに誰が見てもいつもの2人とは何かが違う、そんな光景だった。
「ほーら。ぎこちない。ぎくしゃくしてる!」
「してるー…?」
「してる!何かスガタ君冷たい!昨日2人揃って休んでたのも変だし、それにこれ!」
ルリがピシッと指さしたのは、タクトの隣の席で机に突っ伏して顔を伏せているなまえだった。
「今日は1人で教室に来たし、一言もスガタ君と喋って無い。
ていうか目も合わせようとしないし。やっぱ何かあったな?」
「い…いや…」
「何にも無いよ」
答えたのは机から顔をあげたなまえだった。
頬杖をつきながら面倒臭そうにルリを見ている。
「絶対何かあった!おぬしとスガタ君も何かぎこちないし!」
「ぎこちなくない」
「ぎこちないー!絶対ぎこちない!」
断言するルリに、なまえは困った様な表情を浮かべる。
ルリは聞き出すのは諦めたのか、溜息をつく。
「4人ともどうしちゃったの?」
「4人?」
タクトが聞き返す。
「―そうね。一昨日タクト君とアゲマキさんがデートなさってたからじゃない?なんだか3人がぎくしゃくしてるのは」
「3人がって…なまえちゃんじゃなくて、僕?」
「勿論」
カナコが言う。
「僕もしてる?」
「「してる」」
ルリとカナコは頷く。
何かを思い出したのか、タクトは僅かに目を伏せる。
その表情は何処か暗い。
「…てか、私関係ないじゃん」
「マナセさんは、ほら、今朝見かけない男子生徒と一緒に登校なさってたから、それでスガタ君が可愛い従兄弟を取られて拗ねてしまったのではない?」
その瞬間、クラスの大半の男子生徒がばっと振り向いたのは気のせいではないのだろう。
「え、そうなの?」
タクトも聞き返す。
「えっ!?なまえ彼氏いたの!?何で教えてくれなかったの!誰誰?私の知ってる人!?」
なまえは思わず顔を引きつらせて物凄い迫力で迫るルリを押し返す。
「別に彼氏じゃないよ…たまたま途中で知り合いに会ったから一緒に来ただけで…」
「まぁ、そうなの?随分仲が良いみたいでしたので、ついそういう関係なのかと」
「そんなに仲がよろしかったの!?」
「ちょっ…だから知り合いだって…!ミセス・ワタナベ、誤解生むから止めて」
なまえは楽しそうに笑うカナコにうんざりした顔で言う。
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