翳る横顔

「―なまえちゃん」

「タクト君?」

飲み物を手に手摺に凭れてぼんやりしていると、何時の間にか隣にタクトがやって来ていた。

「スガタと、何かあった…?」

タクトは気遣わしげに尋ねる。

「…」

「あっ、いや…話したくないなら良いんだけど…スガタ、昨日目覚めた時も様子が変だったから…」

「…朝、学校来る途中に喧嘩したの」

「喧嘩…?」

「…あのまま自分が眠りから目覚めない方が良かったかって聞かれて、つい頭に血が上っちゃって…で…」

「スガタに、酷い事言っちゃった…」


「スガタがそんな事を…」

「けど、スガタがあんな事言った理由も、わからなくもないんだ…」

なまえは小さく溜息をつく。

「え…?」

「前にね、私スガタを拒絶したんだ…だから、そう言われても当然なんだけど…」

#nane4#は諦めの混じった笑みを浮かべていた。

「なまえちゃ…」

「―タクト君」

「?」

「話聞いてくれてあるがとう。それと、私は大丈夫だから、ワコの事、お願いね…」

「僕は君よりあの2人の事知らないよ…?」

「知らないからこそ、君には私には出来ない事ができるんだよ。銀河美少年君?」

だから、お願いね、とだけ言って小さく微笑むとなまえは教室に戻る。


「…」

風が軽く髪を撫でると同時に、なまえはふと足を止めると、海の方を見る。

「見送り、行こうかな…」

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