風の行方
「あれ…ヘッドは?」
なまえはリョウスケに尋ねる。
「さぁな。しばらくは顔を出さないつもりだろう…」
「そう…」
そう言うと、なまえはカウチに腰掛ける。
「探しに行かないのか?」
「そうだね…彼のほとぼりが冷めたら、迎えに行こうかな。
どうせ今行っても戻らないだろうし。」
なまえはごろんとカウチに横になる。
後頭部に両手をやり、目を閉じる。
「そうしてやれ」
リョウスケはカチッと煙草に火を着ける。
「吸い過ぎは身体に悪いですよ?リョウスケさん」
リョウスケは白い煙を吐き出すと小さく笑う。
「ご忠告どうも。優しいお嬢さん…」
「いえいえ」
「…目覚めてからのシンドウ・スガタの様子はどうだ?」
「…今は、その名前は聞きたくない」
「なるほど。以前とはそれなりに変化があったようだな―」
リョウスケは気にする事もなくいう。
なまえは閉じていた目を開けると、天井を見上げる。
「…変化、ね…」
―あれは変化っていうよりは…。
前へ|次へ
戻る