ファーストコンタクト
ピピピッ…ピピピッとけたたましい目覚ましの音と共に、薄暗い部屋の中で1つの影がもぞもぞ…と動く。
「ん〜…五月蠅い…」
毛布から伸びた手が目覚ましを止め、それからたっぷり10分後、漸く毛布から顔を出す。
「ふぁ…眠…」
なまえはのそりと身体を起こす。
寝癖で所々髪が跳ねている。
んー、と身体を伸ばすとなまえはベッドを這い出てとぼとぼと浴室へと向かう。
「あー…気持良いー…」
温泉に浸かりながら、なまえは窓から差し込む朝日に少し目を細める。
「入学式、か」
とは言っても中等部からの持ち上がりで、ほとんどメンバーは変わらないのだが。
「今日から高校生ですね」
風呂から出てリビングに向かうと、朝食の準備をしていたリンが声をかける。
「あんまり実感は無いんだけどね。でも,、」
なまえは手に持ったグラスの中のジュースを見つめて、少し楽しそうな顔をした。
「少し期待もしているの」
「昨日の、“流れ星”、ですか?」
なまえはうん、と頷く。
「何かが起こる気がして、わくわくする」
子供の様に笑うなまえにリンは微笑むと、空になったグラスにジュースを注ぐ。
「面白い事だと良いですね」
なまえはもぐもぐと口を動かしながら頷く。
「あ」
ふと時計を見たなまえは声を漏らす。
「もうすぐスガタ来るや…」
朝食を終え、部屋に戻ると制服に着替える。
丁度着替え終えたと同時に、チャイムが鳴る。
「おっ。グッドタイミング」
鞄を取ると、部屋を出る。
「行ってくるね、リン」
「行ってらっしゃいませ」
リンに見送られて、家を出る。
「おはよう。なまえ」
家を出ると、青い髪の少年が門の前で待っていた。
「おはよ、スガタ、…と?」
なまえはスガタの後ろにいる赤髪の少年を見る。
「君は?見ない顔だけど、本土の人?」
「うん。僕はツナシ・タクト。今年からの編入生なんだ」
「そうなんだ。私はマナセ・なまえ。スガタとは従兄弟同士なんだ。よろしくね、ツナシ・タクト君」
「道理で。何かスガタと似てると思った。よろしく、マナセ・なまえちゃん」
僅かになまえとスガタの表情が強張るが、タクトは気付かず、その端正な顔に爽やかな笑みを浮かべる。
なまえはすぐにいつもの表情に戻ると、笑みを返す。
「こちらこそ」
昨日の“流れ星”は、もしかして君かな?
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