瞳に秘めたもの
「…許可は貰えた?」
「あぁ。あの女、案外馬鹿なんじゃねぇの?」
グラウクローネは口端を上げる。
「彼女の技量が試される時はいずれ来る」
「だな。それまでは、ヘッドの代わりに精々頑張って貰うさ」
「―スティックスター」
グラウクローネは背を向けたスティックスターを呼び止める。
「?」
「期待してるわ」
スティックスターは口端を上げる。
「―見てろよ」
「あのくそ忌々しいタウバーンを串刺しにしてやる」
そう言うと再び背を向け、去って行く。
「…早く、壊してしまえ」
グラウクローネは1人ポツリと呟く。
空間が零時間へと変わり、スティックスターのサイバディ・ラメドスが姿を現す。
「―そろそろくる頃だと思ってたぜ」
タクトはアプリボワゼし、タウバーンが現れる。
「見せて貰うわよ、銀河美少年―貴方の力を!行きなさい、スティックスター!」
「さーて。ちゃっちゃと片付けるか―」
ラメドスの掌を合わせる。
「スターソード・サルドニクス!」
「スターソード・エルロード!スターソード・サフィール!」
先手を切ったのはスティックスターの方だった。
ラメドスの強烈な打ちこみタウバーンは防戦一方になっている。
「くっ…」
助力しようと腕を上げたスガタをワコが止める。
「…王の柱は使わないのか」
―それはそれでこちらにとっては都合のいい話だ。
タウバーンは下からスターソードを振り上げると、ラメドスのスターソードが宙に投げ出される。
「どうだ!」
ラメドスの手に棒が現れる。
それを高く持ち上げると、先程宙に投げ出されたスターソードが先端に嵌る。
「勝負だ、銀河美少年!」
ラメドスは目にも留まらぬ速さでタウバーンを突き刺すが、僅かな隙を突いたタウバーンに槍先のスターソードを捥ぎ取られる。
「な…っ」
「あーあ。終わったな」
「終わりましたね」
キャメルスターとソードスターが言う。
「豪快!銀河十文字切り!」
「…終わりか」
破壊され爆発したラメドスを眺めながら、グラウクローネは幾分か低めた声で呟く。
「…」
ヘッドの部屋に来ると、なまえはカウチに腰掛け、顔を俯ける。
「…スティックスターは落ち込んで無かったでしょ?」
「あぁ。早く日死の巫女を見つけろと言っていた」
続く様に入って来たリョウスケは向かいのソファに腰掛ける。
「そんなに痛かったか?今夜の敗北は」
「いーや。ただ、バニシングエージでもタウバーンは無理だったのか、って少しがっかりしただけだよ…」
なまえは下を向いたまま、微かに笑みを浮かべる。
「お前も第2フェーズで勝てると思っていたんじゃないのか?」
「…」
なまえは顔を上げリョウスケを見る。
「勘違いしないでよ。スティックスターが言ってたでしょ?“自分は”第2フェーズでもタウバーンに勝てると思う人、って」
「お前なら、勝てるのか」
なまえは笑みを深める。
「勝てるよ。その自信もある。けど―」
「ヘッドの言葉通り、此処は巫女が見つかるまで待っておく事にするよ」
そう言うとカウチに横になる。
「…銀河美少年よりも、日死の巫女を見つける事が先だ」
そう呟くと目を閉じる。
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