彼の者は時計を見つめ

グラウクローネはザメクの巨大な手に握り潰されたサイバディを見上げる。


「…アインゴット」
―これが復活すれば、巫女を見つけられるが…。

グラウクローネは仮面の奥で目を細める。

「…お前も早く目覚めたいか、アインゴット?」

そう言うと、ふっと小さく笑う。

―本当は私に側に寄られるのも嫌だろうに。

「―お前の力を使えば、わざわざ方程式を解かずとも良かったんだがな」

後ろからやって来たのはグリーンだった。
グラウクローネはグリーンを振り返ると、笑みを浮かべる。

「科学ギルドを立ててあげたのよ。
それに、貴女ならあの複雑なオリハルコンの蘇生方程式を解けると思っていたわ。プロフェッサーグリーン」

「随分と私を過大評価してくれているらしいな。取りあえず、光栄だ、と言っておこうか」

グリーンはグラウクローネの隣に並び、アインゴットを見上げる。

「…首尾はどう?」

「―順調だ。総会でも言ったが、早ければ数週間後にも復元は可能になるだろう」

「そう」

「何故既にアプリボワゼしていながらお前は力を使わない。
実際に目にした事は無いが、お前の力は王の柱に匹敵する物だと聞いている」

「私は私の力を使うべき時に使う。それだけよ…」

「今はまだ使う時期ではないという事か?」

「…」

グラウクローネは何も答えず、再びアインゴットを見上げ、笑みを深めるだけだった。

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