お宅訪問
「―え?なまえちゃんの家?」
「うん。今週テスト期間で部活休みだし、勉強も兼ねて。だからタクト君も行かない?」
「僕も行っていいの?」
「良いよ。その方がワコも喜ぶし。ね?」
「なっ…何言ってんのっ!?タクト君、気にしないで良いからね!」
「う…?うん…」
「―どうぞ」
なまえの家にやってきた3人はなまえの部屋に通される。
「すっげー!前来た時はわからなかったけど、この家プールと道場もついてんの!?しかもでかっ!」
窓から外を見たタクトが声をあげる。
「タクト君、スガタの家の見慣れてるじゃん」
「此処普通の一軒家だと思ってたから!」
はしゃぐタクトになまえは苦笑を零す。
「この絵…」
タクトはふと廊下の壁にかかってた絵画に目を止めた。
「タクト君のお父さんの描いた絵、なんだよね?これ」
タクトはあからさまに何故知っているのかと言いたげな顔でなまえを見る。
「この前スガタに聞いたの」
タクトはそっか、と呟いて再び絵に視線を戻す。
「そういえば、なまえちゃんのお父さんとお母さんは?」
「2人は今はイタリア。仕事と、後は父さんが気分屋でしょっちゅう色んなとこに引っ越すから。あまりこの島にはいないの」
「へぇ。やっぱやる事が凄いねぇ。社長さんは」
なまえはただ気分屋なだけだから、と苦笑する。
「―ワコ、数学の此処の問題見せて?」
「うん。良いけど…」
「…」
「「…」」
2人はちらっとタクトを見る。
さっきまでのはしゃぎ様はどうしたのか、ぴしっと背筋を伸ばして正座したままきょろきょろしている。
はっきり言って挙動不審だ。
「どうしたの?急にそわそわしだして…」
「いや…落ち着いてよく考えてみたら、女の子の部屋って初めてかも…みたいな」
「そうなの?」
ワコがずいっと身体を乗りだす。
「へぇ。そうなんだ」
「私はてっきりもてもてなタクト君は女の子に引っ張りだこで部屋にも遊びに行ったりしてるのかと思ってた」
なまえはしれっと言う。
「なまえちゃんの中の僕の印象って…」
タクトは苦笑を零す。
「―お勉強中すみません。なまえ様、ウイカ様からお電話です」
「すぐ行く。ちょっとごめんね」
「“ういか”って?」
「ウイカさんはスガタ君の叔母さんでなまえのお母さん。すっごい美人だよ」
「す、すっごい美人…?」
「すっごい美人」
スガタは小さく笑いながら言う。
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