箱舟は北極星を目印に
なまえは自室でパソコンのキーをカタカタ、と忙しく動かす。
テストが終わったからと言って仕事が無くなる訳ではない。
山積みとまではいかないが、それなりにやる事は沢山ある。
「わんっ」
ノイは少し開いていたドアからは入って来ると、なまえの膝上に飛び乗って来た。
「ノイ…」
なまえはしょうがないなぁ、と小さく笑って呟くと、ノートパソコンを閉じる。
買って来た玩具をぶらぶらと揺らすと小さくジャンプし、口に咥えてじゃれている。
「いつも元気だねぇ。君は」
指を出すと小さな舌がぺろぺろと指先を舐める。
「―ノイ…あの星空が輝いたら、旅立とうか…」
―焦がれて止まない“約束の場所”へ…。
なまえは窓の外に目を向けると、ポツリと呟く。
「だからその日が来るまで、私の代わりに、君がこの空を見ていてね…」
その言葉を理解していたのか、していないのかはわからないが、ノイはわんっと鳴いた。
前へ|次へ
戻る