重なる思惑、重ならない想い
「珍しいわね。セクレタリーが出るの」
頭取ははっと後ろを振り返る。
「…グラウクローネ」
グラウクローネは頭取に並ぶ。
「彼女はてっきりタウバーンとの戦いには出ないと思っていたわ」
バンカーや頭取と比べて、セクレタリーの実力は飛びぬけているとは言い難かった。
「…出来るなら、戦わせたくなかった」
頭取は僅かに低い声で呟く。
「…そう」
グラウクローネは手を翳し、隙間から人形のままのサイバディを見る。
「重ならないのね…」
―君達の思いは。
指の間から覗く世界が色を失う。
「始まったわね」
佇むダレトスの足元にはバンカーの姿がある。
「バンカー?」
「セクレタリー!僕を君の中へ!」
そう言うと、バンカーはダレトスの胸部に吸収される。
「サイバディに乗せたスタードライバーの力を武器として使う…これはスカーレットキスが失敗した作戦じゃないの?」
マンティコールの言葉にスカーレットキスがうめく。
「そうじゃない」
グラウクローネが言う。
「え?」
「あぁ。今回コックピットに入るバンカーはセクレタリーと共闘関係にある。スカーレットキスの時とは全く性質が違う」
グラウクローネに続く様にグリーンが言う。
「スターソード・アメティスト!」
ダレトスの手にはスターソードが現れる。
「バンカーのスターソードを使えるわけか」
「操るのもバンカーなんだ…」
グリーンとスカーレットキスが言う。
ダレトスは地面を蹴り、タウバーンに切り掛かる。
タウバーンはダレトスに力負けしてるのか、徐々に後退する。
タウバーンも攻撃を仕掛けるが、かわされ、バンカーの剣術に動きを封じられる。
「やるわね。あの2人」
グラウクローネの言葉にグリーンが頷く。
「この組み合わせはバランスが良いのかもしれないな―」
だがタウバーンも負けじと留めを刺させない。
「2対1はズルイよな―」
反撃に出たタウバーンを青白い光が包む。
「…王の柱か」
―もう、躊躇しないのね。
グラウクローネは僅かに笑みを浮かべる。
「ヘッドは何を吹きこんだんだか…」
王の柱がタウバーンを包むと、2本のスターソードも青白く輝く。
バンカーは怯む事無く攻めるが、ダレトスは腕を失い、バンカーは胸部から弾き出さる。
「…王の柱が無ければ、勝てたかもしれないわね」
グラウクローネは爆破するダレトスを眺めながら言う。
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