野望を宿した瞳

夕日が海を赤く染め、島を照らす。


「なまえ」

後ろから呼び止められ、足を止める。

「…スガタ?」

振り返った先にいたのは、私服のスガタだった。

「どうしたの?デートの待ち合わせ?」

明らかにからかっている声音にスガタは苦笑を零す。

「違うよ。タクトに会いに来たんだ。夕食に誘おうと思ってね」

「気に入ってるんだ?彼の事」

なまえはちらっとスガタを見る。

「気に入ってるというよりは興味かな。今の所はまだね…」

それは暗に、信用はしてないという事なのだろう。


「なまえも一緒にどう?」

「…ごめんね。これからちょっと用事があるんだ…」

「仕事?相変わらず忙しいの?」

「仕事と言えば仕事かな…折角だけどごめんね」

「良いよ...気にしないで。それじゃ」

そう言うとスガタは薄く微笑み、踵を返す。


「…、スガタ…!」

「…?」

「また今度、誘ってね…!今度は絶対行くから…!」

スガタは一瞬驚いた様な顔をして、すぐに嬉しそうに微笑んだ。


「勿論だよ。楽しみにしてる」

「...」

スガタの背中が見えなくなるとなまえは僅かに目を細め、再び歩を進める。


夕焼けに染まる瞳は微かに、そして確かな野望の色を宿していた。

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