勝利の行方
「おはよ」
「スガタ…それにタクト君…?」
「おはよ。なまえちゃん」
「タクト君、泊まってったの?」
「うん」
「稽古つけてやろうと思って此処に来たんだけど…折角だし、なまえ、タクトと一手手合わせしてみないか?」
「え…なまえちゃんと…!?」
タクトは思わずぎょっとする。
「大丈夫だよ。なまえも僕と同じで師範代だ。それに、色々な相手を稽古した方がタクトの為にもなるしな」
「私は構わないけど…」
「なまえちゃんが良いなら…お願いします…」
「決まりだな」
スガタを審判に置き、2人は木刀を手に対峙する。
「手加減はいらないからね」
「あぁ!」
「―始め!」
スガタの掛け声と同時にタクトは地面を蹴る。
「はあァァっ!」
木刀のぶつかる音が道場に響く。
「…」
―二刀流だとやっぱり動きが良いね。けど…。
なまえは木刀の柄を握る手に僅かに力を込め、床を蹴る。
タクトの懐に飛び込んだなまえの木刀の先がタクトの首元に突きつけられ、タクトは身動きが取れなくなっていた。
「止め!」
2人は離れ、礼を取る。
「なまえちゃん、強いね…」
「タクト君も良い筋してるよ」
「ありがとう」
門の方に目を向ける。
「なまえ?」
「リンが来たみたいだから、行くね」
「へ?」
「仕事?」
「かな。てなわけで、私はもう帰るよ」
「また機会があれば手合わせしようね。タクト君―」
「おう!次は勝つよ」
「なら、次の対戦に期待しています」
なまえは小さく笑い、シンドウ邸を出る。
「すみません。邪魔をしてしまいましたか?」
「大丈夫だよ。行こ」
「はい―」
流れる景色を横目で見ながらなまえは笑みを浮かべる。
「…次は勝つ、か」
「スガタ様にですか?」
「ううん。銀河美少年君にだよ。でも、それは無理かな」
―何度やっても、きっと君は私には勝てない。
「けど、楽しみにしているよ。タクト君」
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