ぼやけた幸福の定義

「…こんな時間に女の子が1人で出歩いちゃ危ないよ?」


「それはそれは。以後気を付けます」

やぁ、と向かいから歩いてきたヘッドになまえは軽く肩をすくめる。

「それは今は気を付けなくて良いってこと?」

「何かするつもりなの?」

「さぁ?けど、よく言うだろ?“男は狼だ”って―」

なまえは苦笑交じりに笑う。

「君の口からそんな言葉が出てくるとは。ちょっと意外」

「そう?」

ヘッドはポケットに手を入れたまま、なまえの隣に並ぶ。


「―この間、また彼と会ったよ」

「…スガタ?」

「あぁ。絵の様子を見に来たらしい。残念ながら、まだ描き始めてないかったんだけどね」

ヘッドはくすっと小さく笑う。

「やっぱり双子だね。君と彼は、よく似ている。外見以外にも」

「…それって、褒めてるの?」

「勿論。君達は類稀な“才能”を持った姉弟だ」

「…それが幸せな事とは限らないけどね」

ヘッドは僅かに微笑むと、なまえの髪を撫でる。


「そうだね…」

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