本当に失わたものは
「―君の期待に添う様に、創作活動を始めてみた。
キャンバスを前にすると、意外にも描きたいっていう気持ちが蘇って来るのに、少し驚いてる」
ヘッドは夕日を見ながらキャンバスに絵筆を滑らせる。
「もう描くつもりは無かったの…?」
「正直、少し怖かったんだ…」
ヘッドはポツリと呟く。
「怖い…?」
ヘッドは筆を止め、スガタに目を向ける。
「もう、俺には、何も描けないのかもしれないと思ってた…」
「けど俺の中には、まだ描くべきモチベーション、創作する生命力の様なものが残っていたよ」
「人は時々、既に失われたと思い込んでいる物が、本当に失われたかどうか、確認してみる必要があるね…」
「…」
ヘッドの言葉に、スガタは僅かに目を細める。
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