ご!
『白布くん部活おつかれ! 今日も牛島先輩かっこよかった?』
バレー部って何時まで部活やってるんだっけ。まあさすがに夜の9時はもう寮にいるだろうと、宣言通りに白布くんへメッセージを送る。
『文字でもお前はうるせぇな』
そしてすぐに届く白布くんからの返信。
返信しないって言ってたくせにこういうところが白布くんなんだよな〜と、つい口元が緩むのを自分でも理解しながらベッドに寝転がってやりとりを続ける。
『部活終わってた! 返事してくれた!』
『今着替えてこれから寮戻る』
今、着替えてる? 思わずその文字を凝視する。えっ待って。もしかしてそこに牛島先輩もいたりするの?
汗の滲んだ肌。鍛え上げられた筋肉。想像すればするほどにえっちだ……。
『ねぇ牛島先輩もいる?』
『お前今良からぬことを考えてただろ』
『なんでわかったの! こわ!』
そんな私の妄想を覗いたかのように白布くんは言う。ここまで白布くんに私の気持ちが筒抜けなのって、白布くん自身になにかしらの能力あるとしか考えられない。
『名字の下心が透けて見えんだよ』
だから、下心じゃなくて乙女心なんだってば。
『乙女心なのに……。ていうか白布くん、私の事分かりすぎてて怖いよ。超能力者だよ』
私も負けじと白布くんの事を想像してみる。着替え中と言われたせいか、実際に見たこともないのに部ジャーを脱ぐ白布くんが頭に浮かんでちょっと罪悪感が生まれた。
さすがにこれ以上はダメだと妄想にストップをかけ、白布くんとのやりとりを見返す。
部活終わりで疲れているはずなのに、返信はしないって宣言していたはずなのに、ちゃんと私に向き合ってくれるんだからいい人だよね。
『名字が単純過ぎるんだろ。お前、よく白鳥沢の受験受かったな』
『いやまあそれとこれとは別じゃん? それよりずっと気になってたんだけど寮ってどんな感じなの? 楽しい?』
『別に普通。まあ面倒な時もあるけど』
『夜ご飯もご飯も出てくるんだもんね? 休日も?』
『当たり前だろ』
いいな。牛島先輩を知れる機会がたくさんあって。お風呂上がりとか、休みの日とか、部活をしていない時の牛島先輩ってどんな感じなんだろう。バレーの試合をきっかけに牛島先輩を好きになったから、それ以外の牛島先輩はまだ全然想像出来ないな。
そんな風に牛島先輩の事を考えている中、だけど逆に白布くんの休日はなんとなく想像出来るなと思った。私服は良い意味で当たり障りのない服装を選びそうだし、毎日決まった時間に自分で決めたノルマ分の勉強はしてそうだし。
「いや、今は白布くんの事じゃなくて牛島先輩の事を考えないと……」
最近は白布くんと関わる事が多いせいか、いかんせん白布くんの事を考える事も多くなって困る。
『寮内でバイトとかあればすぐ応募するのに』
『スキあらば牛島さんに近づこうとすんじゃねぇ』
『でも私、こう見えて家事得意だよ? 白布くんの好きな食べ物だって作れるよ』
『しらす』
『しらすは作れないし育てられる気もしない……!』
今、白布くんはどんな顔をして私とこのやりとりをしているのか。
今、白布くんはどんな気持ちで私とこのやりとりをしているのか。
『だろうな。だから教えた』
『ちなみに牛島先輩の好きな食べ物は?』
その問いに白布くんの返信が止まる。それすらも教えてくれないつもりなのかなと思った数分後、白布くんから再び返信がきた。
『ハヤシライス』
『ハヤシライス! かわいい……』
教えてくれるんだ。つい口元が緩んで、笑ってしまう。
牛島先輩の好きな食べ物はハヤシライス。白布くんの好きな食べ物はしらす。うん、覚えた。
『白布くん、忙しいのに返信してくれてありがとう』
『しないと明日延々わめくだろ』
『私のこと子供だと思ってる……?』
『調子に乗るよな。返信するのは今回だけだからな』
『そんな初回特別サービスみたいに言わないでよ! 次からも返信してよ!』
泣き顔の絵文字を添えると、嘲笑する絵文字を返される。何故かそれがとても可愛く思えたから、私はまた文字を打つ。
『まあ返信くれなくても諦めずにメッセージ送るけど!』
『気が向いたら返信してやらないこともないけど』
本当に、今、白布くんはどんな顔をしているんだろう。
それを知ることは叶わないけれど。
『じゃあ、しつこく送る』
そんなことを言ってもきっと白布くんはちゃんと返信をしてくれる。確証はないけれど確信だけはある。
でも、だからこそ牛島先輩の連絡先は白布くんが納得した状態で教えてもらいたいんだけどな。夜の10時を越えた夜、そんなことを考えていた。
(23.02.12)
バレー部って何時まで部活やってるんだっけ。まあさすがに夜の9時はもう寮にいるだろうと、宣言通りに白布くんへメッセージを送る。
『文字でもお前はうるせぇな』
そしてすぐに届く白布くんからの返信。
返信しないって言ってたくせにこういうところが白布くんなんだよな〜と、つい口元が緩むのを自分でも理解しながらベッドに寝転がってやりとりを続ける。
『部活終わってた! 返事してくれた!』
『今着替えてこれから寮戻る』
今、着替えてる? 思わずその文字を凝視する。えっ待って。もしかしてそこに牛島先輩もいたりするの?
汗の滲んだ肌。鍛え上げられた筋肉。想像すればするほどにえっちだ……。
『ねぇ牛島先輩もいる?』
『お前今良からぬことを考えてただろ』
『なんでわかったの! こわ!』
そんな私の妄想を覗いたかのように白布くんは言う。ここまで白布くんに私の気持ちが筒抜けなのって、白布くん自身になにかしらの能力あるとしか考えられない。
『名字の下心が透けて見えんだよ』
だから、下心じゃなくて乙女心なんだってば。
『乙女心なのに……。ていうか白布くん、私の事分かりすぎてて怖いよ。超能力者だよ』
私も負けじと白布くんの事を想像してみる。着替え中と言われたせいか、実際に見たこともないのに部ジャーを脱ぐ白布くんが頭に浮かんでちょっと罪悪感が生まれた。
さすがにこれ以上はダメだと妄想にストップをかけ、白布くんとのやりとりを見返す。
部活終わりで疲れているはずなのに、返信はしないって宣言していたはずなのに、ちゃんと私に向き合ってくれるんだからいい人だよね。
『名字が単純過ぎるんだろ。お前、よく白鳥沢の受験受かったな』
『いやまあそれとこれとは別じゃん? それよりずっと気になってたんだけど寮ってどんな感じなの? 楽しい?』
『別に普通。まあ面倒な時もあるけど』
『夜ご飯もご飯も出てくるんだもんね? 休日も?』
『当たり前だろ』
いいな。牛島先輩を知れる機会がたくさんあって。お風呂上がりとか、休みの日とか、部活をしていない時の牛島先輩ってどんな感じなんだろう。バレーの試合をきっかけに牛島先輩を好きになったから、それ以外の牛島先輩はまだ全然想像出来ないな。
そんな風に牛島先輩の事を考えている中、だけど逆に白布くんの休日はなんとなく想像出来るなと思った。私服は良い意味で当たり障りのない服装を選びそうだし、毎日決まった時間に自分で決めたノルマ分の勉強はしてそうだし。
「いや、今は白布くんの事じゃなくて牛島先輩の事を考えないと……」
最近は白布くんと関わる事が多いせいか、いかんせん白布くんの事を考える事も多くなって困る。
『寮内でバイトとかあればすぐ応募するのに』
『スキあらば牛島さんに近づこうとすんじゃねぇ』
『でも私、こう見えて家事得意だよ? 白布くんの好きな食べ物だって作れるよ』
『しらす』
『しらすは作れないし育てられる気もしない……!』
今、白布くんはどんな顔をして私とこのやりとりをしているのか。
今、白布くんはどんな気持ちで私とこのやりとりをしているのか。
『だろうな。だから教えた』
『ちなみに牛島先輩の好きな食べ物は?』
その問いに白布くんの返信が止まる。それすらも教えてくれないつもりなのかなと思った数分後、白布くんから再び返信がきた。
『ハヤシライス』
『ハヤシライス! かわいい……』
教えてくれるんだ。つい口元が緩んで、笑ってしまう。
牛島先輩の好きな食べ物はハヤシライス。白布くんの好きな食べ物はしらす。うん、覚えた。
『白布くん、忙しいのに返信してくれてありがとう』
『しないと明日延々わめくだろ』
『私のこと子供だと思ってる……?』
『調子に乗るよな。返信するのは今回だけだからな』
『そんな初回特別サービスみたいに言わないでよ! 次からも返信してよ!』
泣き顔の絵文字を添えると、嘲笑する絵文字を返される。何故かそれがとても可愛く思えたから、私はまた文字を打つ。
『まあ返信くれなくても諦めずにメッセージ送るけど!』
『気が向いたら返信してやらないこともないけど』
本当に、今、白布くんはどんな顔をしているんだろう。
それを知ることは叶わないけれど。
『じゃあ、しつこく送る』
そんなことを言ってもきっと白布くんはちゃんと返信をしてくれる。確証はないけれど確信だけはある。
でも、だからこそ牛島先輩の連絡先は白布くんが納得した状態で教えてもらいたいんだけどな。夜の10時を越えた夜、そんなことを考えていた。
(23.02.12)