5仮面少女の願い事





これくらいなら我慢出来るかも、なんて温い考えをしていた私が馬鹿だったのかもしれない。
身体中が痛いのに心はもう痛まない。
あの人の罵倒が、嬌声が頭から離れない。
部屋の角に背中を押し付けて蹲る。
助けを求めてみるか否か。
携帯に映された赤と黒のコントラストが"さあ来い"と言わんばかりに主張している。

鴨志田の一件を解決した心の怪盗団。
心を盗み悪人を改心させるという義賊。
それがもし本当に実在するなら、このサイトが彼等に通じているというなら、私のことも助けてくれるのだろうか。

何かが割れる音が扉の向こうから聞こえた。
もう、限界だ。

震える指で一文字一文字打っていく。
足音が近付いてくる。
送信フォームの上を指が彷徨う。
音が扉の前に立つ。
迷っている暇はない、これに賭けよう。
扉が開かれ、対の冷えきった眼差しが私を見下ろしていた。






後書き

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