街の中で

 N.

「本当でございますか!?」

「でも私、このお手紙は読めないわ。人間の字なんでしょう? だから、あんたから直接お話を聴いてあげる。ゼルネアス様の使者からのお願いなんだから、仕方がないわ」

「ほ、本当でございますか! ありがとうございます! ではその手紙とやらを、ぜひ、アニィ様のご主人へお渡しくださいませ……!」

「ええ? これを……?」

「はい! その中には、ゼルネアス様からアニィ様のご主人、マーシュ様への文書が書かれております。恐らくは、マーシュ様へ助力をご依頼する内容かと……」

「マーシュちゃんへ、依頼……? ゼルネアス様が……?」

「……マーシュ、ちゃん……?」

「何よ。なんか文句あるの」

「い、いえ、別に……」

「まあいいわ。あんたから内容を訊いても、イライラするだけだろうし。この手紙は、マーシュちゃんへ必ず渡しておくわ」

「あ、ありがとうございます! よろしくお願いします!」

「ふふん、いいわよ。まかせておきなさい。……それよりあんた」

「はい?」

「なんだか本当に臭いわよ? そこの池で、水浴びでもしてきたらどう?」

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