夏の陽の下

 17.

赤い鉄橋は思いのほか長く、ホドモエシティに辿り着いたのは日が傾きかけた頃だった。
前の街を出発した時間が割と遅く、橋の通行止めにも合ってしまったので仕方ないのだが。

「やっと着いたなー! ホドモエシティ!」

ようやく橋を渡りきり、町を見渡す。
西日に照らされた建物は白とグリーンに統一されており、シンプルで都会的な景観をしている。
町中には港町らしく多くの出店があり、それらを集合させたホドモエマーケットがこの街の名所らしい。
また、この街と隣接している場所にはポケモンバトルを行う為の大きな施設があるという。
聞く所によると、ここにはポケモントレーナーの強豪が世界各国から集うのだとか。
このホドモエシティが観光客で賑わっているのは、その為だろう。

「なあ、俺もう腹が減って仕方ねぇよ」

町の方を見ていると、ぽんぽんと肩を叩かれてそう言われた。
振り返ると、彼は町とは反対の方へと指を指している。
何なのだろう。
指された方向をよく見てみると、町の隅に浜辺があった。

「あそこで食べるの? サンドイッチ」

「おう! なぁ、ちょっとこれ持って先に行っててくれねぇかな」

「え?」

彼が、サンドイッチの入った紙袋を私に押し付ける様に渡してくる。
受け取ると、彼は走って町の中へ消えて行ってしまった。
すぐ行くから、と言葉を残して。
一体、何なのだろう。
お腹が空いて仕方がなかったと言っていたのは、どこの誰だったのだろうか。
少しだけ、笑ってしまった。
取り敢えず、私は言われた通りに海の方へと歩みを進めることにした。


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