夏の夢の中で

 CLXXXII.

「あの、おっしゃっている意味がよく……」

「そうですよね。一から説明しましょう。少し長くなりますが、大丈夫ですか?」

「……はい。お願いします……」

「では。…………時は、三千年以上前に遡ります」

「さ、三千年……?」

「ええ。ちなみに少なくとも、三千年前です」

「え、ええ?」

「それほどまでに古く、また人類が記録を残せない、森の奥深くで暮らしていたポケモン達のお話なのです」

「森の、ポケモン達……?」

「ええ」

「それって……」

「古来より、カロス地方ではフェアリータイプのポケモンが数多く暮らしていました。そしてそこには、フェアリータイプのポケモンが王として君臨し、治めた場所があったとされています。現代でも名残として、人間の近寄れない、不思議な場所が存在しています。我々はポケモンの森、と呼んでいますが」

「ポケモンの森……」

「そう、その場所こそ、ピスカの故郷。そして、全ての始まりの場所です。ミツキさん、貴女はピスカから、彼の過去について、何か話をされましたか?」

「…………。いいえ、何も」


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