夏の夢の中で

 CLXXXV.

「…………え?」

「先程もお話したように、いま貴女が、そして私が居るこの世界は、ピスカの夢の世界。そして更に、貴女はこの私やピスカの本来居る世界からも全く別の世界から来てしまった。夢の中に異世界から来た貴女が入り込んでしまったことで、悪夢を晴らす本来の方法が、全く効かなくなってしまったのです」

「ちょ、ちょっと待って下さい」

「はい」

「ピスカって、その、陽のことですよね」

「もちろん。貴女のパートナーである、あのゾロアークのことですよ」

「……では、その。陽は……ピスカは、ピスカ自身の夢の中に居るのだと、そういうことですか?」

「ええ。そうなりますね」

「い……今までのお話だと、まるで陽が三千年以上も昔のポケモンで……、しかも、私や陽や、……貴女も、この世界に居る人たち全員が夢の中の存在……いや、この世界そのものが、陽の夢の中なのだと、そう言われている様なのですが……」

「ええ。間違いなく、私はそう話しています」

「…………えっと……?」

「ミツキさん、信じられない気持ちは、とてもよく分かります。私自身も、説明する身でありながら、今、こうして現実に起きていることが信じられません。しかしながら、貴女は間違いなく、私達とは別の次元に存在しているのです。ミツキさん」


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