夏が終る日
218.ピスカの実刑期間は、百八日間だと聞いた。
でも僕には、その始まりの日が一体いつなのか、教えてはもらえなかった。
きっと最後まで僕が反発して、刑の執行を抑えようとするのを、防ぐためだったんだと思う。
ピスカに会えなくなって、しばらくの時が過ぎた。
僕が腹心の友を失っても、この世界には無関係で、世界は、着実に時を進めていた。
そのとき、僕達の住む森は…………いや、この国、この世界全体は、危機に陥ろうとしていた。
一人の人間の王が、ここ一帯に住むポケモン達を、次々と殺戮し始めたのだ。
きっかけは、よく知らない。
どこかでこの森に元々住んでいたフラエッテが原因だという噂が立っていたが、そんなことは、全く重要ではなかった。
気付いた時にはもう、多くのポケモン達の命が奪われていて、傷付いていて、とてつもなく、酷い状態だった。
……どうして、こんなことができるのだろう。
僕は一人の友を失っただけでも、こんなにも、かなしいというのに……。
かなしいと、思うのに…………。
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ーーーーーそれは、願いだった。
もう、誰も居なくならないでほしい。
もう、誰も、理不尽に、勝手に居なくなったりしないで。
誰も傷つかず、憎まず、争わず、皆で、共に生きていてほしい。
誰も悲しまなくて済む方法を、皆で、探してほしい。
それはきっと、あなたたちの、命のこたえだ。
そしてもし、どこかで…………僕の友に出会ったら、どうか、優しくしてあげてほしい。
そいつはとても、良い奴なんだ。
どうか、よろしく。
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