夏の陽と月

 24.

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俺のすぐそばで、ミツキがすやすやと眠っている。
月明かりに、肌が白く照らされてる。
涼しい夜風に、髪がさらりとゆれる。
なんか、きれいだ。
あー、安心するな、こういうの。
俺、やっぱミツキのこと、大好きだ。
ちなみに、顔も俺のタイプ。
えへへ、ミツキには言えねえけどな。なんかまた怒られそーだから。
あ、言っとくけど、寝こみをおそおーとかは考えてねーぞ?
……いや、ちょっとは考えたけどさ。
でもミツキに嫌われたくねーしなぁ、俺。

そりゃあ、最初に見たときはびっくりした。
ボロボロの女の子が、ひとりでポケモンセンターの辺りをすっげえウロウロしてんの。
気になって近くに行ってみて、更にびっくりした。
ポケモン一匹も連れてねぇんだもん。
しかも、すげぇ泣きそうな顏してんだよ。
なんかほっとけなくて、声をかけちまった。
……まあ若干、俺の為でもあるんだけどな。

でも、これで良かったのかなぁ、俺。

正直、やつらがここまで来てるとは思わなかった。
マーケットの人ごみにまぎれてて分かんなかったけど、危ないところだった。
なんであいつら、ホドモエシティにまで来てんだよ。
まあすぐに逃げたから、バレずに済んだけど。
もしかして、俺の行動って気付かれてんのか?
つつぬけになってたり…してないよな?
いや、途中のポケモンバトルだって上手く化けれたし、大丈夫だろ。

それにしてもあいつら、どこまで俺を探すつもりなんだろう、
これからも追いかけてくんのかなぁ、あいつら。
うわあ、いやだなあ。
ぜってーつかまりたくねぇ。

いや、それより、ミツキにケガとかさせたら、どうしよう。
ムダに不安にさせたりとか、しなきゃいいけど。
ミツキになんかあったら、俺、あいつらのこと許さねぇ。
あ、でも、ミツキをまき込んだのって、完全に俺? …だよな。
ってことは、ミツキになんかあったら俺のせい、か。
うわあ……。最悪だな、俺。

俺のすぐそばで、何も知らないミツキが、すやすやと眠っている。
はぁ、すげぇかわいい。

……これで良かったのかなぁ、俺。

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