夏の陽と月

 25.

*****

この世界に来て二回目の朝。
その日の目覚めは、最悪だった。

「んぅ、ん……」

「うー」

「う、んっ……、んー……」

「うー」

「ううっ、ん?」

「すー……」

「…………、えっ!?」

起きると……というより、目を開けると、私の身体を覆う、重い男の腕。
首元に、生温かい吐息。
背に感じる、人の体温。
下肢に絡まる、誰かの足。
何なんだこれは。
何があってこうなった。
誰だ。誰だ。
思い当たる人物は、ただ一人。

「はーーーるーーーーーー」

「うー」

「おーーーきーーーなーーーさーーーーーーい!!!!」

「ううん? ……ミツキ!?」

目を開けきれていない彼は、現状を把握できていない様だ。
離れなさい! と一括し、ベッドから転げる様に降りる。
そしてすぐに立ち上がり、彼の方へ向く。
この男……、許さん!

「え!? ミツキ!? おはよう! なんだ? なんで怒ってんだ!?」

私の怒りには気付いたが、全く訳が分からない、といった様子。
ふん。そんなこと、知らないわ。

「問答無用!」

他のそれよりやや広めに作られた、ポケモンセンターホドモエの宿舎内。
ぱちーん!と、小気味よい音が響いたのは、日の出間際の早朝の事だったという


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