森の中で

 C.

「先程、眠ること自体は衰弱の原因では無いとおっしゃっていましたね?」

「ええ、確かに」

「どうして、急に衰弱が始まったのでしょうか」

「それは……、当初に予定されていた期間を、大幅に過ぎてしまったからではないのですか?」

「……でも、不思議ではありませんか? 元々彼へ設けられていたであろう実刑期間はとうの昔に…×××××年以上が過ぎていますが、彼は未だに生きています。それが何故、今になって身体が弱り始めたのでしょう」

「そうですね……言われてみれば、確かに不可解です」

「私が目覚めた後……つい最近になって、彼の中で別の何かが起こっているのでしょうか」

「別の何か、ですか?」

「はっきりとは分かりませんが、眠り続けること意外の、何かが起こっている事も考えられると思います」

「そうですね。では、それを踏まえた観察と研究を続けてまいります」

「ええ。彼の事、頼みましたよ」

「はい。かしこまりました」

「それにしても……」

「はい?」

「先の王は、何とも恐ろしい魔法を掛けられたものですね」


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