森の中で
D.「ああ。それともう一つ、エル」
「……? はい、なんでしょう」
「エル、お前、人間の街で何かを盗ったのでしょう?」
「!? いえそんな、まさか」
「隠されても、困るのですが。まあ良いでしょう。そうやって隠そうとするという事は、物を盗るという事に後ろめたい気持ちがあるということですからね。物を盗んで何も感じない者は、どうしようもありませんから」
「……」
「私が何を申しても、要はあなた次第という事です。私も口うるさく言うことが好きでは無いので、これ以上の言及は致しません」
「……」
「代わりに、と言っては何ですが、あなたにとって嫌な事を、一つ教えてさしあげましょう」
「え……?」
「彼の件、私達の力だけで及ばない場合は、人間へ応援を要請しようと思っています」
「……!? そんな、たかがポケモン1匹の為に? そんな事、しなくても結構ではありませんか! 人間ごときに力を貸してもらうなど、妖精界の恥です!」
「エル!!」
「ひっ……」
「更に、あなたへ嫌な遣いを一つ。もしその様な事態なった場合、あなたには人間界へ行き、応援を願い出て頂きます」
「なっ……!」
「何か、異論がありますか?」
「……いえ、何も」
「いいでしょう。では、もう下がって大丈夫ですよ。お疲れ様でした」
「……はい。失礼いたしました」
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