ランブルマリナ・ストリッパーズ

 3.

きらびやかに光るアメジストの様な髪飾りを手に取り、私の頭元に近付ける。
ヒナちゃんの手から伝わる体温が、凄くくすぐったい。

「ミツキちゃん、これ似合うー!」

私たちは、何をするでもなく街中を歩き回っていた。
ウインドウショッピングなんて、あの飽き性な陽と一緒だと、絶対にできない。
やっぱり、こういう事は女の子と一緒にするのが一番楽しい。

「ヒナちゃんは、これが似合うと思うなぁ」

黄色と白の、ガーベラの様な造花があしらわれた髪飾り。
ふわりと明るい笑顔が似合う彼女に、ぴったりだと思った。

「うん、似合う。可愛い」

髪飾りをヒナちゃんの頭に合わせてあげると、やっぱりよく似合っていた。
えへへ、と笑って、彼女は鏡を見ながらこう言った。

「私ね、ラクと出会ってからよく思うの」

「え?」

ラク。ラクちゃん。
元々人間の女の子だった、雄のゲンガー。
…喧嘩をしたとは、彼女が相手だったのだろうか。

「可愛いって、男の人から言われるのも、そりゃあ嬉しいんだろうけどね、私、女の子から言ってもらえる方が、断然嬉しいと思うの」

「え、そ、そうなの?」

「なんかこう、男の人から言われてもねぇ…、って考えちゃう。女の子から言われると、本当に可愛いって思ってくれてるって感じがするの」

「それって、男の人が言う可愛いは、嘘ってこと?」

「違うよー! 女とは感性が違う男から可愛いって言われて、ミツキちゃん、嬉しいと思う? 男なんて、ビキニでも下着でも、おんなじ様に可愛いって言って来るに決まってるよー!」

「そ、それは嫌だ…!」

「でしょー?」

この子は、中々に難しい事を言うな…。
そんな事を頭のなかでぐるぐると考えていると、ヒナちゃんがぱちん、と髪飾りを留めてこう言った。

「でもさ、好きな人から可愛いなんて言われたら、もう嬉しくって、そんなの関係なくなっちゃうよねぇ!」


prev / next

[ back ]